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2015年3月30日月曜日

HIV検査に応用されている検査手法について-5.日本におけるHIV抗原抗体検査について-

【HIV抗原抗体検査とは】

第四世代のHIV抗原抗体検査のことです。

【HIV抗原抗体検査とは】

HIV-1の抗原の一部であるp24を検出できる特徴があり、尚且つHIV-1/2の抗体をも検出できる検査法です。

しかし、HIV-2の抗原は検出できません。

【何処で検査が受けられるのか】

医院やクリニックから検査を受ける検査専門の会社では、第三世代の抗体検査から全て第四世代の抗原抗体検査に切り替えられています。

大都市の保健所の一部でも採用されていますが、ほとんどの保健所では受けることは出来ません。

大学病院や大手の病院では、検査室で実施している場合が多いです。

【適切な受ける時期は】

不安な行為から30~50日前後(30日で検出可能)でHIV-1の抗原であるp24を検出出来ますが、HIV-1/2の抗体は不安な行為から12週で検出できます。


【現在使用されている第四世代HIV抗原抗体検査キット】




【キットについての解説】

1.アーキテクト Ag/Ab コンボアッセイ・ダイナパック

被検検体にアクリジニウム・エステルを標識した抗体と固相化抗体を反応させサンドイッチ法により測定する検査であるCLIA(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

2.アキシム HIV Ag/Ab コンボアッセイ・ダイナパック

被検検体にアクリジニウム・エステルを標識した抗体と固相化抗体を反応させサンドイッチ法により測定する検査であるCLIA(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

3.ジェンスクリーン HIV Ag-Ab

電解反応により生成されるエネルギーによりルテニウムピリジン錯体を励起して発光させる化学発光法の一種であるECLIA(Electro Chemiluminescent Immunoassay:電気化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

4.エンザイグノスト HIV インテグラ

電解反応により生成されるエネルギーによりルテニウムピリジン錯体を励起して発光させる化学発光法の一種であるECLIA(Electro Chemiluminescent Immunoassay:電気化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

5.バイダスアッセイキット HIV DUO Ⅱ

蛍光基質を用いた酵素免疫測定法であるELFA (Enzyme Linked FluorescentAssay:) 法を採用し、ツーステップサンドイッチ法により検体中の抗原と抗体を検出
します。

6.エクルーシス試薬 HIV combi

試薬の反応により、複合体が形成させこの複合体を磁力で集磁した後に洗浄を行い、未反応物を除去後、発光試薬を添加し発光量を測定するECLIA(Electrochemiluminescence Immunoassay:電気化学発光イムノアッセイ)を利用した検査法です。

7.ルミパルス HIV Ag/Ab

被検検体にアクリジニウム・エステルを標識した抗体と固相化抗体を反応させサンドイッチ法により測定する検査であるCLIA(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

8.ルミパルスプレスト HIV Ag/Ab

被検検体にアクリジニウム・エステルを標識した抗体と固相化抗体を反応させサンドイッチ法により測定する検査であるCLIA(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

9.HISCL HIV Ag+Ab試薬

被検検体にアクリジニウム・エステルを標識した抗体と固相化抗体を反応させサンドイッチ法により測定する検査であるCLIA(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)を利用した検査法です。

10.エスプライン HIV Ag/Ab

イムノクロマト法を応用した迅速抗原抗体検査です。

日本においては迅速抗原抗体検査はこれ一種類しか存在しません。

※発売当初、血液中に多量のHIV-2抗体が存在すると見逃す危険性が専門家により指摘されことから、メーカは自主回収し改良を行い現在のキットは見逃す危険性はありません※
【自動分析装置とは】

1~9の検査は、自動分析装置で検査を行います。

それぞれのメーカが独自に自動分析装置を販売していますので、この自動分析装置を使用して自動で検査を行います。

2015年3月14日土曜日

HIV検査に応用されている検査手法について-4.日本におけるHIV抗体検査について-

現在は、第一世代及び第二世代のHIV抗体検査キットは何処のメーカも製造販売していません。

従って現在日本で使用されているHIV抗体検査は、第三世代のHIV抗体検査です。

以下に現在保健所及び医療機関で使用されている第三世代のHIV抗体検査を紹介しておきます。

現在使用されている第三世代HIV抗体検査キット






【キットについての解説】

1.ダイナスクリーン HIV-1/2

迅速抗体検査または即日抗体検査と呼ばれている検査で、迅速HIV抗体検査はわが国ではこれ一種類しかありません。

以前はダイナボットが製造・販売していましたが現在は、製造はダイナボットで、販売はアリーアメデイカルがしています。

2.ルミパルス オーソ HIV-1/2

エライサ法の一種のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments:化学発光免疫測定法 )を利用した検査法です。

3.ルミバルスプレスト オーソ HIV-1/2

エライサ法の一種のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments:化学発光免疫測定法 )を利用した検査法です。

4.ジェネディア HIV-1/2ミックスPA

ゼラチン粒子を単体にし、この単体にHIVの抗原成分を吸着させこのゼラチン粒子の凝集を利用した検査法です。

PA法とは、Particle agglutination method (ゼラチン粒子凝集法)のことです。

5.ケミルミ Centaur  HIV-1,2抗体

エライサ法の一種のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments:化学発光免疫測定法 )を利用した検査法です。

6.ビトロス HIV-1/2抗体

エライサ法の一種のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments:化学発光免疫測定法 )を利用した検査法です。

7.ランリーム HIV-1/2 抗体

ラテックス粒子の表面にHIVの抗原を吸着させ、検体中のHIV抗体と抗原抗体反応をさせて、その生成物による濃度を吸光度としてとらえ、既知濃度の標準物質から得た標準曲線から検体中のHIV抗体の濃度を測定する方法です。

8.HISCL HIV ab試薬

エライサ法の一種のCLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments:化学発光免疫測定法 )を利用した検査法です。

※ 1~8の検査は、不安な行為から12週以降に受ければ信頼できる結果が得られます。

※ 1,4の検査は、肉眼で判定します。

※ 2,3,5~8の検査は、自動分析装置で検査を行います。


2015年3月2日月曜日

HIV検査に応用されている検査手法について-3.第三世代抗体検査(2)-

(2)PA法

【PA法とは】

PA法というHIV検査のは日本の富士レビオが開発した検査法です。

PA法とはゼラチン粒子凝集法のことで、Particle Agglutinationの頭文字のPAを取って命名されています。

【測定原理】

ゼラチンを粒型化した人工担体にリコンビナントHIV抗原(HIV-1/gp41、HIV-1/p24、HIV-2/gp36)を吸着させたもので、この感作粒子が検体中の抗HIV-1抗体または抗HIV-2抗体と反応し、凝集することを応用した粒子凝集反応試薬です。

HIVの抗原を吸着させたゼラチン粒子に血清を加えて一定時間静置して、ゼラチン粒子の凝集の有無を肉眼で判定します。

【検査方法】

マイクロプレートで血清を4倍・8倍・16倍と希釈し、8倍の所に未感作粒子(ゼラチン粒子のみでHIV抗原は吸着させていない)を、16倍の所に感作粒子(HIV抗原を吸着させたゼラチン粒子)を滴下してよく混和し、2時間静置します。

【測定結果の判定法】

血清中にHIV抗体が存在しなければ、ゼラチン粒子は一点に集中しますが、HIV抗体が存在すればゼラチン粒子は円形に広がります。

【反応像の読み】

(-):ゼラチン粒子がボタン状に集まり、外周縁が均等でなめらかな円形を示す。

(±):ゼラチン粒子が小さなリングを形成し、外周縁が均等でなめらかなもの。

(+):ゼラチン粒子リングが明らかに大きく、その外周縁が不均等で荒く、周辺に凝集の見られる。
(++)凝集が均一に起こり、凝集粒子が底全体に膜状に広がっているもの。

【判定基準】

陽性:未感作粒子に凝集なしで感作粒子に(+)~(++)の凝集が見られる。

陰性:未感作粒子と感作粒子共に凝集が見られない。

判定保留:未感作粒子に凝集なしで感作粒子に(±)の凝集が見られる。
この場合は再度検査を実施し直す。

再検査:未感作粒子と感作粒子共に(±)以上の凝集が見られる。
この場合は再度検査を実施し直す。

【判定の解釈】

陽性の場合は、HIV-1とHIV-2の何れの抗体が存在するかの判断はできません。

確認試験でHIV-1とHIV-2の何れの抗体があるかを検査し直します。

【偽陽性反応の出現率】

およそ0.3%と低いのが特徴です。

【検査の信頼性】

不安な行為から12週以降に受けて陽性となれば、HIVに感染している可能性が極めて高いです。

※陽性の場合は、必ず確認試験で本当の陽性か否かを調べる必要があります※