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2012年6月17日日曜日

性行為感染症検査-10.咽頭淋菌検査SDA法-


近年風俗店でのオーラルセックスにより、咽頭への淋菌感染が多く報告されています。

オーラルセックスで淋菌が喉に感染しても、ほとんど症状が出ることはなく、仮に症状が出てても一種の咽頭炎のような症状ですから、喉への淋菌感染を疑う人は殆どいないのが実情です。

その為に咽頭淋菌感染は、感染していることに気づくことなく、相手に感染させるという危険性を伴います。


咽頭の淋菌感染検査としては、培養検査やPCR法がありますが、口腔内の常在菌であるナイセリア属などを検出してしまい、感染ない人を誤って淋菌陽性(偽陽性反応)としてみなしてしまうことが多く起こります。

そのことから、咽頭淋菌検査は常在菌のナイセリア属と淋菌との鑑別が可能なSDA法を使用すべきです。


SDA法(Strand Displacement Amplification)は、BD社が独自に開発した核酸増幅検査法のことです。

4種類のプライマーとDNAポリメラーゼおよび制限酵素を利用してターゲットDNAを増幅しながら蛍光プローブによりリアルタイムに検出を行なうことで、検体中の目的の微生物DNAの有無を調べます。

SDA法は、口腔内の常在菌の口腔内ナイセリア属との交差性が極めて少ないため、咽頭検体での検査が可能です。

検査方法としては、スワブと呼ばれる綿棒で喉の奥を拭って検査します。


咽頭淋菌感染の検査は、PCR検査を用いるのではなく、SDA法またはTMA法で検査をする必要があります。

【注意】

本来、咽頭の淋菌検査は耳鼻咽喉科で受けるべきですが、耳鼻咽喉科の一部では検査を実施していない施設もあります。

最近では、泌尿器科、性病科でも咽頭の淋菌検査を積極的に実施しています。

検査を受けられる時は、事前に咽頭淋菌検査としてSDA法またはTMA法を実施しているかを事前に問い合わせて下さい。

間違ってもPCR検査による咽頭淋菌検査を受けてはいけません。

PCR法による淋菌検査は、性器感染に関しては優れた検査法ですが、咽頭淋菌検査ではニセの陽性反応が出て、咽頭に淋菌感染がなくても陽性となってしまいます。

※TMA法については、次回紹介致します※